●質の良い母乳と悪い母乳
・催乳感覚
質の良い母乳は授乳間隔が2時間半〜3時間ほどで乳房の奥から乳汁が湧き上がってきて、乳輪部上方から乳
頭にかけて引っ張られるような感覚(催乳感覚)がありますが、質の悪い母乳は、催乳感覚が起こらず、授乳間隔が
3時間以上空いて来ます。
・色
質の良い母乳は青みがかった白色で、濁りはありません。青みがかった白色でも濁っていたり、あるいは成乳な
なのに黄色で粘り気のある場合は質の悪い母乳です。
・味
質の良い母乳は甘みがあり、さっぱりとした風味ですが、質の悪い母乳はしょっぱかったり、渋み、酸味があること
があります。
・赤ちゃんの母乳の飲み方
質の良い母乳を飲んでいる赤ちゃんは、ぱっちりと目を見開き、お母さんの目をみつめながらゆったりとした様子
で飲みます。質の悪い母乳を飲んでいる場合、体をくねらせたり、音を立てて飲んだり、乳頭を噛んだり、といったし
ぐさをします。
●自分の母乳をチェックしてみましょう
上述した催乳感覚や色、味、赤ちゃんの母乳の飲み方などを1日に1回はチェックしてみましょう。
お母さんの食事は母乳の質に影響を与えますが、その作用の大きさは、個人差があり、お母ちゃんの体調に
よっても変化します。これまでの報告を参考に、母乳の質を左右する食べもの・飲み物について記載しました。
●母乳の質を悪くする食べ物・飲み物
母乳の質を悪くする食べ物や飲み物を摂取した場合、1時間ほどですぐに母乳の質、味が変わり、濁りなども出て
くるようになります。脂っこいもの、甘いもの、そして高カロリーの食事は控えめにします。
また、夜間はお母さんの体も疲れ気味で乳房の働きが低下しています。高カロリー食や間食をとると、乳房内で母
乳の酵素が発酵し、母乳の質が悪くなります。そして、高カロリー食を摂ったお母さんは長時間熟睡する傾向にあり、
授乳間隔も長くなり、母乳の質を悪くするのに拍車がかかります。夕食は控えめにして、夜8時以降の食事はやめる
ようにしましょう。
■母乳の質を悪くする食べ物・飲み物の例
・脂分や糖分の多い洋菓子ーケーキ・チョコレート・パン菓子など。和菓子も食べすぎに気をつけましょう。
・添加物の多いものースナック菓子・カップラーメン・レトルト食品など。
・脂分の多い食材ー牛肉・豚肉・青魚・かずのこ・あわびなど。
・高カロリー食ーカレーライス・中華料理・すきやき・トンカツ・焼肉・天ぷら・フライなど。
・アルコールやタンニン・カフェインの含まれる嗜好品ービール・緑茶・コーヒーなど。
・糖分の多い清涼飲料水やジュースなど。
・発芽玄米や玄米、もち類など。
・脂分や糖分の多い調味料ー動物性油・マヨネーズ・精製糖など。
●母乳の質を良くする食べ物・飲み物
季節によって旬のものを少量ずつ、そして多くの食品を摂取するようにします。1種類のものを多量に食べてしまうと
逆に母乳の質を悪くすることもあります。日本人になじみのある「和食」が一番母乳には適しています。
■母乳の質を良くする食べ物・飲み物の例
・白身魚やあさり、えび、いか、たこなどの魚介類や海草。
・野菜、特に根菜類。
・豆・豆製品。
・白米ー毎食2杯が目安。
・果物ー食べすぎには注意しましょう。1日にみかんやリンゴは1〜2個、バナナは1〜2本、いちごは1回4粒まで
が目安です。
・牛乳ー1日400mlが目安。牛乳・乳製品の摂りすぎも母乳の質を悪くします。
・番茶・麦茶・ほうじ茶・ハーブティー・たんぽぽコーヒー・たんぽぽ茶・ルイボス茶など。
・植物性油ーゴマ油たオリーブオイルはとりすぎ注意。
・一温糖やてんさい糖の砂糖類。