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16.おっぱいトラブルとその対処法
授乳中は、食事やおっぱいの手入れ方法などによって、おっぱいのトラブルが起こることがあります。
自分でできる症状別のケアについて紹介しますが、でも、自分でケアしても症状が緩和されない、悪化した、高熱が
出た、ケアに不安がある、といった場合はきちんと病院や助産院で診てもらうようにしましょう。
1.乳口炎・乳管炎
●乳口炎・乳管炎とは
乳腺で作られた母乳を排出する通り道である乳管が詰まりかけたり、詰まることによって起こる炎症で、乳管で起きたものを乳管炎、乳管の出口(乳口)で起きたものを乳口炎と言います。
●症状
乳頭の先に水膨れがあったり、乳頭の一部分が腫れている、おっぱいを吸われると乳頭が非常に痛む、などがあります。
また、乳房にしこりができたり、乳房が痛い、授乳後も乳房の緊満が残る、発熱するといった症状のことも多くあります。炎症がひどくなると、乳腺炎に移行することもありますので、早めにケアをしましょう。
●セルフケアの方法
・授乳前と授乳後に必ずマッサージと乳管開通を行い、授乳後に搾乳をします。しこりの部分はもみほぐしたりせず、しこり部分を手で軽く押さえるようにして排乳します。
・いつもとは違う抱き方(縦抱き、横抱き、フットボール抱き)で授乳するようにします。
・食事を見直します。脂っこいもの、糖分の多い食べ物や飲み物、乳製品などは控えます。
・しこりや乳房に熱感があるときは、冷却シートを使用したり、里芋シップ
やじゃがいもシップ、キャベツの葉などでしこりの部分を冷やします。
2.乳腺炎
●乳腺炎とは
乳腺の炎症によって、乳房が腫れたり、一部にしこりができたり、痛みが出たりする病気で、乳腺炎には「うっ滞性(停滞性)乳腺炎」と「化膿性乳腺炎」の2種類あります。
●原因と症状
・うっ滞性乳腺炎
出産後2〜3日頃、初産婦さんに多く、赤ちゃんのおっぱいを吸う力が弱かったり、乳管の開通が十分でないことが原因で起こる乳腺炎です。
症状は、乳房全体が赤く腫れ、硬くなります。痛みを伴うしこりがあり、微熱が出ることもあります。
・化膿性乳腺炎
産後2〜3週間経ってから発症することが多く、乳頭にできた小さい傷から細菌が侵入して、乳腺に炎症が起こることが原因です。おっぱいを不潔な状態にしておくと、いつ発症してもおかしくない乳腺炎です。
症状は、乳房の発赤、腫脹、しこりのほか、39〜40℃の発熱、寒気、わきの下のリンパ節腫脹などがあります。炎症が進行すると、膿(うみ)の塊ができ、母乳に血や膿が混じることもあります。
●治療とセルフケアの方法
・うっ滞性乳腺炎
マッサージと乳管開通を十分に行い、乳房内に溜まっている母乳を出すことが大切です。抱っこの仕方を変えたり、授乳後の搾乳を必ず行いましょう。
・化膿性乳腺炎
消炎鎮痛剤や抗生物質の内服が基本になります。膿瘍ができた場合は、排膿が必要になります。
化膿性乳腺炎は、冷却シートや里芋シップなどで冷罨法するのもとても効果的です。氷などで急激に冷やすと、返って症状を悪化させることがあるので、注意しましょう。
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ツルツルすべすべお肌に
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